文喫で読んだ本2019/10/01

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

先日亡くなられた瀧本哲史氏の著名な本。 2011年の本なので8年も前になる。これから社会に出ていく若者に向けて、取るべきアクション・持つべきメンタリティについて述べた本。 前半はこれまでから今にいたるまでの社会状況の整理、後半は、今後生き残れるタイプとして「マーケター」「イノベーター」「リーダー」「投資家」の4つのどれか(どれか1つという意味ではなく複合的に持つことを推奨している)として、それぞれの特徴を解説している。 まだAbemaTVがなかった2011年にネット放送局の可能性を強く主張していたり、ソーシャルゲーム業界の今後の厳しさを予見したりしているなど、8年経った今だからこそ面白く読める部分もあった。

2030年の情報通信技術:生活者の未来像

2030年の情報通信技術:生活者の未来像

2015年に出版された本で、情報通信技術を広い分野にわたって俯瞰し、2030年に何がどこまで実現しているかを予測している。

の5つに大別し、要素技術からサービスレベルの技術まで、とても具体的に解説・分析がされている。参考文献リストも豊富で、未来予測系の書籍としてはとても真摯で内容も濃かった。 いわゆる(私の現業務でいうところの)IT技術は「情報オリエンテッド技術」の分野に書かれていて、それ以外の内容は専門外であったが、わかることわからないことどちらもとても勉強になった。

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

「非認知能力」(自制力、やり抜く力(Grit)、レジリエンスなどと本書では定義されている)を伸ばすにはどうしたら良いかについて述べた本。現代の学校教育は認知能力(読み書き能力や知識をつけること)は行っているが、非認知能力を伸ばす取り組みは不十分である。 「どうしたら非認知能力が伸びるか」という疑問への答えとして本書では、3歳あるいは5歳までの乳幼児期には、親や周囲の大人たちが子どもに対して(機械的なものではない)心からのケアをすることが大事であると述べている。学校教育では、子どもが「自分は意味のあることに取り組んでいる」と思える活動を増やすべきとしている。 本書では、教育問題に貧困の問題をかけ合わせて考察しており、今日本でも起きている育児に関わるいろいろな問題(虐待・核家族化・保育環境・教育プログラムなど)も思い出しながら興味深く読んだ。 

優れた戦略とは、面白くて人に話したくなるようなストーリーである、とういことを長々と書いた本。楠木健さんはファンで文章が面白いのだがいかんせん長過ぎる。60ページくらい読んで一旦挫折。

成毛さんはSNSもフォローしているが、文章が面白い。リズムが良くて読みやすく、記憶に残る内容だ。本の内容はインプットしたらどんどんアウトプットせよという内容。

B.C.1177 (単行本)

B.C.1177 (単行本)

紀元前1200年ごろに地中海の複数の王国からなる青銅器文明が軒並み滅んでしまったことについて、原因をさぐる物語。 結論としては、中央集権化および多国間のつながりが複雑になり社会システムとして脆弱になり、それが地方分権が進んだことや自然災害や外敵の侵入により一気に崩壊が伝播して滅んでしまったというもの。 時間がなかったため速読っぽく読んだが、当時の青銅器にとっての錫と、現代における石油を類比させて語っていて、解説にもあるが現代の社会にもつながる話と感じた。