アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

下記の記事で見たからというのが直接のきっかけ。 他にも読んだという投稿をSNSで見かけたのもあったけど。

https://irnote.com/n/n71cb2926eab1

この本の内容を全部自分のものにできるには、いろいろ知識も経験が足りない気がしたが、ポイントになる部分はよくわかった。 それは、オフラインにオンラインを取り入れる、というような発想はすでに時代遅れで、OMO(Online Merge Offline)という言葉で表されるように、両者の区別が無く、UXがシームレスに設計されること前提で、しかもそれをその場限りのユーザー体験ではなく、継続的に顧客関係を作っていく中でデータを用いて高速かつ繰り返しユーザー体験を改善していくことがポイントであること。 そしてそれは単なる理想論ではなく、中国でアリババなどはすでに実践していること。

この本を読む前と読んだ後で認識が変わったのは、アリババやテンセント、平安保険などのビジネスマンは、中国国内の規制のなさをいいことに顧客のデータを吸い上げていいように吸い上げて好き勝手に利用しているというような感じではなく、顧客の満足を中心に考えていて、決して驕り高ぶってはおらず、国内外に広く学ぶ態度があり、まっとうなB2Cビジネスを営んでいるということだ。また、B2Bの視点でみても書いて売り手がWin-Winの精神でエコシステムが健全に成り立つように取り組んでいる。これは中国駐在の著者から見た視点であるということは割り引くにしても、すでにデジタル消費ビジネスの最先端という意味では日本は中国に学ぶ点のほうが多く、「中国の体制だからこれが可能なのだ」的な考えで思考停止していてはだめだと思った。 スターバックスが中国で業績を落としてしまったくだりで、中国は外資系企業を規制しているからうまくいかなくなったのではなく(そういう側面は無いとはいえないかもしれない。ただ本書では言及されていない)、顧客体験という点で中国国内のラッキンコーヒーなどに負けてしまっていた、というエピソードも興味深い。

去年の11月に中国・上海へ行ったのだが、この本の内容を踏まえてもう一度行ったら、また違った視点で中国のことを見れる気がした。